職業準備性ピラミッドとは?~自分に合った「働く力」を育てるために~

「仕事が上手くいかない」「働きたいけど自信がない」
そんな悩みを抱えていませんか?特に、発達障害やうつ、不安障害などの影響で、仕事への一歩がなかなか踏み出せない…という方も多くいらっしゃいます。

そんなときに役立つ考え方が「職業準備性ピラミッド」です。

このピラミッドは、「安定して働き続けるために必要な力」を5つの段階に分けて整理したもので、自分に今どんな力があって、どこに課題があるかを見付け易くなります。

この記事では、職業準備性ピラミッドの内容や考え方、就労支援の現場での活かし方を分かり易くご紹介します。

職業準備性ピラミッドの5つの階層とは?

職業準備性ピラミッドは、以下のような5つの階層から成り立っています。

【第1層】健康管理・身嗜み

【第2層】日常生活管理

【第3層】対人技能

【第4層】基本的労働習慣

【第5層】職業的技能

それぞれについて、簡単に説明します。

第1層:健康管理・身嗜み

  • 毎日決まった時間に起きられる
  • 睡眠や食事などの生活リズムが整っている
  • 適切な服装、清潔感を保てる

仕事を続けるためには、まず「健康」と「見た目」が土台となります。

第2層:日常生活管理

  • お金の管理ができる
  • 生活のスケジュールを自分で組める
  • 通勤や交通機関の利用に慣れている

生活の安定が無いと、仕事も続けることが難しくなります。

第3層:対人技能

  • 挨拶や報連相(報告・連絡・相談)ができる
  • 困ったときに周囲に助けを求められる
  • 集団での振る舞いが適切にできる

職場では人間関係がとても重要です。対人スキルは、働くうえでの大切な「土台」です。

第4層:基本的労働習慣

  • 指示を受けて行動できる
  • 遅刻や欠勤をしない
  • 決まった時間、集中して作業できる

ここでは「働くための習慣づけ」が求められます。勤務態度や責任感の育成も含まれます。

第5層:職業的技能

  • パソコン操作や事務スキル
  • 軽作業や接客など、職種ごとの技術
  • 自分の得意分野を活かせる力

ようやく一番上の層に「技術」が来ます。スキルだけでなく、下の土台が揃ってこそ活きるのです。

なぜピラミッドで考えるの?

職業準備性ピラミッドは、下の層が整っていないと、上の層でつまずきやすいという特徴があります。

たとえば、職業スキルが高くても、生活リズムが乱れていたり、人間関係がうまく築けなかったりすると、仕事は長続きしません。

反対に、スキルが未熟でも、生活や人間関係が安定していれば、少しずつステップアップしていくことができます。

このように、目に見えにくい「職業以前の力」を大切にすることで、「続けられる就労」が可能になるのです。

自分がどの段階にいるかを知ることが大切

「自分はどの層までできているんだろう?」
「今つまずいているのは、どの部分だろう?」

このピラミッドの良いところは、「今の自分の状態を見える化できる」点にあります。

たとえば、

  • 通勤練習ができていない → 第2層
  • 職場の人と関係を築けない → 第3層
  • 毎朝起きるのがつらい → 第1層

といったように、つまずいているところを具体的に把握できると、支援者との話し合いや目標設定もしやすくなります。

支援の場でどう活かされているの?

就労移行支援事業所や、復職支援の現場では、このピラミッドの考え方をベースにして個別支援計画を立てていきます。

一人ひとりの状態や課題に応じて、どこから取り組むかを一緒に考え、無理のないステップで進めていきます。

まとめ:今の自分に合ったステップを大切に

就職活動というと、「履歴書」「面接」「スキル」などに目が向きがちですが、それ以前に「自分を整えること」がとても大切です。

職業準備性ピラミッドは、「就職のための土台づくり」に役立つ地図のような存在。
いきなり上を目指さず、今の自分にとって必要なことから始めていくことが、安定した就労への第一歩です。

もし「何から始めていいかわからない」と感じたら、一人で悩まず、ぜひ支援機関に相談してみてください。

私たちは、「あなたがあなたらしく働く」ことを、心から応援しています。