職業準備性ピラミッドとは?~自分に合った「働く力」を育てるために~
目次
▲「仕事が上手くいかない」「働きたいけど自信がない」
そんな悩みを抱えていませんか?特に、発達障害やうつ、不安障害などの影響で、仕事への一歩がなかなか踏み出せない…という方も多くいらっしゃいます。
そんなときに役立つ考え方が「職業準備性ピラミッド」です。
このピラミッドは、「安定して働き続けるために必要な力」を5つの段階に分けて整理したもので、自分に今どんな力があって、どこに課題があるかを見付け易くなります。
この記事では、職業準備性ピラミッドの内容や考え方、就労支援の現場での活かし方を分かり易くご紹介します。
職業準備性ピラミッドの5つの階層とは?
職業準備性ピラミッドは、以下のような5つの階層から成り立っています。
【第1層】健康管理・身嗜み
【第2層】日常生活管理
【第3層】対人技能
【第4層】基本的労働習慣
【第5層】職業的技能
それぞれについて、簡単に説明します。
第1層:健康管理・身嗜み
- 毎日決まった時間に起きられる
- 睡眠や食事などの生活リズムが整っている
- 適切な服装、清潔感を保てる
仕事を続けるためには、まず「健康」と「見た目」が土台となります。
第2層:日常生活管理
- お金の管理ができる
- 生活のスケジュールを自分で組める
- 通勤や交通機関の利用に慣れている
生活の安定が無いと、仕事も続けることが難しくなります。
第3層:対人技能
- 挨拶や報連相(報告・連絡・相談)ができる
- 困ったときに周囲に助けを求められる
- 集団での振る舞いが適切にできる
職場では人間関係がとても重要です。対人スキルは、働くうえでの大切な「土台」です。
第4層:基本的労働習慣
- 指示を受けて行動できる
- 遅刻や欠勤をしない
- 決まった時間、集中して作業できる
ここでは「働くための習慣づけ」が求められます。勤務態度や責任感の育成も含まれます。
第5層:職業的技能
- パソコン操作や事務スキル
- 軽作業や接客など、職種ごとの技術
- 自分の得意分野を活かせる力
ようやく一番上の層に「技術」が来ます。スキルだけでなく、下の土台が揃ってこそ活きるのです。
なぜピラミッドで考えるの?
職業準備性ピラミッドは、下の層が整っていないと、上の層でつまずきやすいという特徴があります。
たとえば、職業スキルが高くても、生活リズムが乱れていたり、人間関係がうまく築けなかったりすると、仕事は長続きしません。
反対に、スキルが未熟でも、生活や人間関係が安定していれば、少しずつステップアップしていくことができます。
このように、目に見えにくい「職業以前の力」を大切にすることで、「続けられる就労」が可能になるのです。
自分がどの段階にいるかを知ることが大切
「自分はどの層までできているんだろう?」
「今つまずいているのは、どの部分だろう?」
このピラミッドの良いところは、「今の自分の状態を見える化できる」点にあります。
たとえば、
- 通勤練習ができていない → 第2層
- 職場の人と関係を築けない → 第3層
- 毎朝起きるのがつらい → 第1層
といったように、つまずいているところを具体的に把握できると、支援者との話し合いや目標設定もしやすくなります。
支援の場でどう活かされているの?
就労移行支援事業所や、復職支援の現場では、このピラミッドの考え方をベースにして個別支援計画を立てていきます。
一人ひとりの状態や課題に応じて、どこから取り組むかを一緒に考え、無理のないステップで進めていきます。
まとめ:今の自分に合ったステップを大切に
就職活動というと、「履歴書」「面接」「スキル」などに目が向きがちですが、それ以前に「自分を整えること」がとても大切です。
職業準備性ピラミッドは、「就職のための土台づくり」に役立つ地図のような存在。
いきなり上を目指さず、今の自分にとって必要なことから始めていくことが、安定した就労への第一歩です。
もし「何から始めていいかわからない」と感じたら、一人で悩まず、ぜひ支援機関に相談してみてください。
私たちは、「あなたがあなたらしく働く」ことを、心から応援しています。