ピアサポートとは?同じ経験を持つ仲間だからできる支え合いを解説
目次
▲- ピアサポートって? その基本的な意味と目的
- 「同じ経験がある」からこそ分かち合えること
- ピアサポートはどんな場面で活用されているの?
- 障害のある方の「生きづらさ」を和らげる身近な仕組み
- どんな人が関わるの? 支援者と当事者のつながり
- ピアサポーターってどんな人?
- 一緒に歩む支援者とのバランスも大切に
- 安心して関わるために必要な準備や研修
- ピアサポートではどんなことをするの?
- 一緒におしゃべりする、気持ちを共有する
- 悩んだときの相談役としてそっと寄り添う
- 地域や職場で広がるさまざまな取り組み
- ピアサポートを受ける・行うことで得られるもの
- 「ひとりじゃない」と思える安心感
- 自分の経験が、誰かの力になる喜び
- お互いに元気をもらえる不思議な関係性
- 日常や職場でピアサポートを活かすには?
- ちょっとした声かけや共感の姿勢から
- 就労支援の場でも活用が広がっています
- 地域ぐるみで支え合える環境づくりへ
- まとめ:ピアサポートで支え合いながら、安心して働く・生活する
ピアサポートって? その基本的な意味と目的
「同じ経験がある」からこそ分かち合えること
「ピアサポート(Peer Support)」とは、同じような立場や経験を持つ人同士が、互いに支え合うことを指します。例えば、障害や病気、心の悩みなどを抱えている人同士が、「分かるよ、その気持ち」「自分も同じことで悩んだことがある」と共感し合いながら、助け合っていく関係のことです。
ピア(Peer)とは「仲間」「同じ立場の人」という意味です。支援者と受け手という一方通行の関係ではなく、「お互いに支え合う」「経験を通じて分かち合う」という関係が特徴です。
ピアサポートはどんな場面で活用されているの?
現在では、ピアサポートは様々な分野で取り入れられています。
- 精神障害や発達障害のある方への支援
- アルコール依存症や摂食障害などの回復支援
- 医療現場でのがん患者の相互支援
- 子育て支援や介護支援など
とくに精神的な不調や障害を抱える方にとって、「自分のことを本当に理解してくれる人」に出会えることは、安心感や回復の力につながります。
障害のある方の「生きづらさ」を和らげる身近な仕組み
「ピアサポート」と聞くと、少し専門的に感じるかもしれませんが、実は日常の中にも似たようなやりとりはあります。
たとえば「同じ悩みを持つ仲間と話すことで気持ちが軽くなった」「過去に同じ経験をした人にアドバイスをもらって安心できた」──こんな体験、ありませんか?
それこそが、ピアサポートの本質です。制度的な支援だけでなく、「共感」による支え合いが、障害のある方の心の負担を軽くし、前に進む力になります。
どんな人が関わるの? 支援者と当事者のつながり
ピアサポーターってどんな人?
ピアサポーターとは、自分自身が障害や病気などの経験を持ち、その体験をもとに他の当事者を支える人のことを指します。
たとえば、以下のような方がピアサポーターとして活動しています。
- うつ病を経験し、今は回復している人
- 発達障害の診断を受けながら働いている人
- 就労移行支援を経て就職した人
「専門職とは異なる立場で、当事者経験を活かした支援」──これが、ピアサポーターの強みです。
一緒に歩む支援者とのバランスも大切に
もちろん、ピアサポーターだけですべての問題に対応できるわけではありません。医師やカウンセラー、支援員といった専門職と連携しながら、それぞれの役割を担っていくことが大切です。
ピアサポートは、あくまでも「支え合いのひとつの形」です。重い課題や危機的状況には専門的な対応が必要になりますが、日々の不安や孤独、ちょっとした気持ちの揺らぎには、「仲間の声」がとても大きな意味を持ちます。
安心して関わるために必要な準備や研修
実際にピアサポーターとして活動するには、一定の研修を受けておくことが推奨されます。
研修では、以下のような内容が扱われます。
- 傾聴の姿勢(相手の話を否定せず受け止める)
- 境界線を守ること(助けすぎない・依存を避ける)
- 支援と自分自身のケアの両立
特に「自分が頑張りすぎて疲れてしまう」というケースも少なくありません。だからこそ、ピアサポートを行う側も、無理のない関わり方を身につけることが大切なのです。
ピアサポートではどんなことをするの?
一緒におしゃべりする、気持ちを共有する
ピアサポートの基本は、話をすること、気持ちを分かち合うことです。
- 最近つらいことがあった
- 就労訓練の中で落ち込んだ
- 将来が不安で眠れない
こういった話を「わかるよ、私もそんな時あった」と受け止めてくれるだけで、心が軽くなることがあります。共感してくれる相手がいることは、何よりの安心です。
悩んだときの相談役としてそっと寄り添う
ピアサポーターは、いわば「先にその道を歩いた経験者」として、迷っている人の道しるべになります。
「自分はこうだったけど、あなたにはあなたのペースがあるよ」
「焦らず、ゆっくりでも大丈夫」
このような声かけが、背中を押してくれることもあります。
地域や職場で広がるさまざまな取り組み
最近では、地域活動支援センターや就労支援事業所、企業内メンタルヘルスプログラムなど、さまざまな場面でピアサポートが活用されるようになっています。
たとえば…
- 地域のピアサポートグループ
- 企業内の当事者交流会
- 支援機関でのピアカウンセリング
身近なところで始められるからこそ、多くの人にとって心の支えになりやすいのです。
ピアサポートを受ける・行うことで得られるもの
「ひとりじゃない」と思える安心感
障害やこころの不調を抱えていると、「自分だけが取り残されている」「誰にもわかってもらえない」と感じることがあります。そんなとき、同じような経験をした仲間が「わかるよ」「私もそうだった」と言ってくれるだけで、どれだけ安心できるでしょうか。
ピアサポートには、「孤独感」を和らげる力があります。
人は、誰かとつながっていると感じるだけで、前向きになれるものです。実際に、「同じ立場の人がそばにいることで、生きる希望がわいてきた」と話す利用者さんも多くいます。
自分の経験が、誰かの力になる喜び
ピアサポーターとして活動する人の中には、かつては支援を受けていた側だった方も多くいます。
「つらい時期もあったけど、今は誰かの役に立てるようになった」
「自分の経験を、誰かの安心につなげられることがうれしい」
このように、自分の過去の苦労が「意味のあるもの」として捉え直せるのも、ピアサポートの大きな魅力です。
「弱さ」を抱えた経験が、他の人を支える「強さ」に変わる──。
そんなやさしい循環が生まれる場でもあります。
お互いに元気をもらえる不思議な関係性
ピアサポートは、支援する側・される側という一方的な関係ではなく、「お互いさま」の関係です。話すことで元気になる人もいれば、聴くことで気づきを得る人もいます。
「話していたつもりが、逆に勇気をもらった」
「支えようと思っていたけど、自分が癒やされた」
こんなふうに、関わり合いの中で「相互にエネルギーをやり取りしている」ような関係性が築かれることもあります。
この「お互いを大切にする」感覚が、支援の中でとても貴重なのです。
日常や職場でピアサポートを活かすには?
ちょっとした声かけや共感の姿勢から
ピアサポートと聞くと、「特別な訓練や資格が必要」と思われるかもしれません。でも、日常の中でも実践できるピアサポートはたくさんあります。
たとえば…
- 「今日、大丈夫だった?」と声をかける
- 「うんうん」と相手の話をうなずきながら聞く
- 「つらいときは頼っていいからね」と伝える
これらも立派なピアサポートです。
相手の話を否定せずに聴き、共感すること。その積み重ねが、信頼関係をつくります。「ちょっとした心がけ」が大きな支援になることもあります。
就労支援の場でも活用が広がっています
近年、就労移行支援や就労継続支援A型・B型などの就労支援の現場でも、ピアサポートの取り組みが広がっています。
たとえば、同じような悩みや経験を持つ利用者同士が集まり、グループワークや座談会の中で体験談を共有したり、気持ちを分かち合ったりする機会が設けられています。
「自分だけじゃなかった」と感じられることが、不安の軽減や前向きな気持ちにつながることも少なくありません。
こうした場では、支援スタッフが見守り役として関わりながら、当事者同士の対話が安心して行える環境づくりが大切にされています。無理に意見を求められることはなく、それぞれのペースで参加できることが重視されています。
就労支援の場では、「早くできるようになること」よりも、「今の自分に合ったペースで取り組めること」を大切にしながら、仲間との関わりを通して少しずつ自信を積み重ねていく支援が行われています。
地域ぐるみで支え合える環境づくりへ
今後は、支援機関や事業所の中だけでなく、地域全体でピアサポートを広げていくことも期待されています。
- 地域の交流拠点でピアミーティングを開催する
- 自治体や福祉団体と連携して支援ネットワークを構築する
- 当事者が安心して相談できる場所をつくる
こうした取り組みは、孤立を防ぎ、地域全体の安心感を高めていきます。
「誰かとつながれる場所がある」
「困ったときに話せる人がいる」
そんな地域社会が増えていけば、障害の有無にかかわらず、誰もが暮らしやすくなるはずです。
まとめ:ピアサポートで支え合いながら、安心して働く・生活する
ピアサポートとは、「同じ立場・経験を持つ仲間が、お互いを支え合う」関係性のことです。
とくに障害やこころの不調を抱える方にとっては、「わかってもらえる」「共感してもらえる」経験が、安心感や希望につながります。
就労支援の現場でも、ピアサポートは力を発揮します。
- 仲間と気持ちを共有しながら前に進める
- 自分の経験が誰かの役に立つ喜びを感じられる
- 一人じゃないと実感できる
こうした経験の積み重ねが、就職への自信や人との関係を築く力になっていきます。
私たちは、ピアサポートの力を大切にしながら、みなさん一人ひとりの歩みに丁寧に寄り添っています。
「話せる仲間が欲しい」
「就職したいけど、ひとりでは不安」
そんな方は、ぜひ一度見学や体験に来てみませんか?
あなたの悩みを、誰かと分かち合える場が、きっとここにあります。